2008年5月11日日曜日

ありがとう、わらべ歌の母 元短大助教授佐藤さん、道外へ あす恩返しコンサート(05/10 08:17)

「あんたがたどこさ ひごさ ひごどこさ♪」。なつかしいわらべ歌の普及に尽力してきた、元市立名寄短大(現・名寄市立大短期大学部)助教授の佐藤志美子さん(78)=札幌市清田区=が今月、健康上の理由から北海道を離れる。十一日には、佐藤さんを「わらべ歌の母」と慕う道内各地の小学校の先生や保育士ら約百五十人が集い、恩返しコンサートを開く。先生を囲んでの最後のわらべ歌が札幌の小さな会場に響く。
 佐藤さんは一九二九年(昭和四年)、宮城県塩釜市生まれ。芦別や長沼、南幌などで小学校教師を務め、八六年から九四年まで同短大で教えてきた。
 わらべ歌の研究を始めたのは四十歳のころ。心を閉ざしていた児童がわらべ歌を通して立ち直ったことがきっかけだった。日本語独特のリズムに乗って、手を合わせるなどして歌うわらべ歌には、子どもの心を開かせる力があった。
 「歌と動作が一緒になったわらべ歌には、子どもたちの音楽性を育てることはもちろん、仲間意識を植えつける力もあったんです」
 まりつき、お手玉、子守など、佐藤さんの幼いころには、生活の中にわらべ歌があった。記憶の中だけで八十曲ほど。研究を始めて四十年、佐藤さんは、道内に残るわらべ歌二百曲を譜面に残し、遊び方や指導の手引きをまとめた。
 各地の小学校や保育園、施設などを回って、講演会や勉強会も開いてきた。九六年には、指導書「心育てのわらべうた」を出版した。
 佐藤さんへの感謝を込めたコンサートは十一日午後一時半から、札幌市白石区栄通一九、大谷地たかだ保育園で開かれる。
 準備を進める石狩市の保育士岩本ふみ子さん(57)は「子どもばかりじゃなく、私も含めて大人も先生の研究してきたわらべ歌で癒やされてきました。先生が北海道を離れた後、今度は私たちが普及に努めたい」と話す。
 コンサートには札幌や岩見沢の保育園児らが参加する。娘がいる埼玉県に移る佐藤さんは「コンサートを開いていただけるのは私の功績ではありません。わらべ歌に、すばらしい魅力があったから、先生や子どもたちに伝わった。それがうれしくて」と、日曜日の集いを楽しみにしている。

(北海道新聞より引用)