2008年1月25日金曜日

亡夫胸に藻岩山登頂500回 札幌の70歳長法さん 1年間で

札幌市中央区の主婦、長法(ながのり)桂子さん(70)が昨年一年間で、南区の藻岩山(五三一メートル)登頂五百回を達成した。頂上にある「水掛け観音」を登山好きだった亡夫と思い、元日から大みそかまでのほぼ毎日登り続けた。桂子さんは「お父さんとの二人三脚で登りました」と感激をかみしめている。
 桂子さんが本格的に登山を始めたのは二○○五年一月。山が好きで日本百名山に挑戦中だった夫の康一郎さんがその一年前、すい臓がんのため六十七歳で急逝したことがきっかけだった。「夫が実際に登頂できたのは五十四山だったので、残りの山の分を私が登ろうと思って」。自宅から近く、何度か一緒に登った思い出の藻岩山が桂子さんにとっての「百名山」となった。
 藻岩山には一年目は三百二十七回、二年目は三百七十一回登頂した。そして、三年目を迎えた昨年の元旦。体力にも自信が付き、思い切って「五百回登山」という目標を立てた。
 毎朝四時ごろ自宅を出発、三十分ほど歩いて登山口に向かう。登りに約五十分、下りに約三十分。雨の日は傘を差しながら、冬は腰まで埋まった雪をかき分け、登山道を進んだ。毎日登っても五百回には届かないため、休憩を取りながら一日三回登った日もあった。
 「今日も来れたよ、お父さん。今でも一緒の生活だね」。毎朝、出迎えてくれる頂上の“夫”が心の支えだった。
 五百回目は、昨年の大みそか。いつものように午前五時半ごろ、頂上に立った。夜明け前で、偉業を祝福するかのように星や札幌の街明かりがきれいに見えた。「お父さん、やったよ。万歳だよ」。涙でほおがぬれた。
 道内が大荒れの天候となった二十四日も雪をかき分けて登り、通算で千二百二十五回目の登頂となった。桂子さんは話す。「毎朝、藻岩山を登るのが私のリズム。次の目標は十年間で四千回登ることです」

(北海道新聞より引用)

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